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03. CIDR 早見表と計算

このページは何?

/24 とか /25 という書き方(CIDR 表記 = サイダー表記)の意味と、 1 つの町に何人住めるか を 3 秒で計算するコツのページです。


このページで学ぶこと

  • CIDR 表記は「マスクで 1 が連続している個数」
  • /24 → 住人 254 人、/30 → 住人 2 人…の感覚を掴む
  • ホスト数 = 2^(32 − マスク桁数) − 2
  • /25 以下で町を分割する考え方

🧩 CIDR って何?

正式名称

CIDR = Classless Inter-Domain Routing(クラスレス・インタードメイン・ルーティング)。 「/24」のような表記を CIDR 表記 と呼ぶ。読み方は「サイダー」。

書き方は超シンプル

マスクの 1 が何個並んでいるかを数字で書くだけ。

💡 ここでつまずく人へ — /24 の数字は何を表す?

/24 の 24 は「マスクの先頭から 1 が 24 個並んでいる」という意味。 255.255.255.0 を 2 進にすると 11111111.11111111.11111111.00000000 で、 確かに 1 が 24 個ですね。

つまり /数字 を見れば、ネットワーク部のビット長 がそのまま分かる近道表記です。

マスク(10 進) 2 進(1 の個数) CIDR 表記
255.255.255.0 1 が 24 個 /24
255.255.255.128 1 が 25 個 /25
255.255.255.192 1 が 26 個 /26
255.255.255.240 1 が 28 個 /28
255.0.0.0 1 が 8 個 /8

📊 早見表(これを暗記すると早い)

NetPractice 頻出のマスク

Level 1〜10 で出てくるのはほぼ /8, /16, /18, /24, /25, /26, /27, /28, /29, /30 です。

表の見方

住人数 は「そのマスクで実際に機器を置ける台数」。 2^(32−CIDR) − 2 で計算しています(− 2 はネットワークアドレスとブロードキャストを除くため)。 NetPractice で必要になるのはこの 住人数 だけなので、この数字だけ覚えれば十分です。

CIDR マスク 使える住人数 よくある用途
/8 255.0.0.0 16,777,214 大企業全体
/16 255.255.0.0 65,534 中企業全体
/18 255.255.192.0 16,382 大きめ LAN
/24 255.255.255.0 254 家庭・小オフィス
/25 255.255.255.128 126 小 LAN
/26 255.255.255.192 62 小 LAN
/27 255.255.255.224 30 小 LAN
/28 255.255.255.240 14 部署
/29 255.255.255.248 6 小グループ
/30 255.255.255.252 2 ルータ間専用

/31, /32 は特殊

/31(RFC 3021, 点対点リンク用)と /32(単体ホスト)は 上の -2 ルールの例外扱いで、住人数はそれぞれ 2 台 / 1 台になります。 NetPractice ではほぼ出てこない ので、存在だけ頭の隅に入れておけば OK。


🧮 計算公式

覚えるのはこれだけ

使える住人数 = 2 ^ (32 − CIDR) − 2

右側の − 2 は ネットワークアドレスとブロードキャストの 2 個は住人に使えない から引きます。 (例: /24 なら 2⁸ − 2 = 256 − 2 = 254 台)

💡 ここでつまずく人へ — どうして 2 ^ (32 - CIDR)?

IP は 全部で 32 ビット。そのうち先頭 CIDR ビットが「町名」、 残り (32 − CIDR) ビット が「番地」です。 番地のビット数だけ自由に組み合わせられるので、その町の総アドレス数は 2 を (32 − CIDR) 回掛けた数(= 2^(32 − CIDR))になります。

例: /24 なら番地は 8 ビット → 2⁸ = 256 個 → 使える住人は 254 人 (256 − 2)。

例: /26 なら?

1CIDR
/26
232 − 26
= 6
3アドレス数
2⁶ = 64
4住人数
64 − 2 = 62

例: /28 なら?

1CIDR
/28
232 − 28
= 4
3アドレス数
2⁴ = 16
4住人数
16 − 2 = 14

🗂️ 1 つの町を半分に分ける(/24 → /25 × 2)

これをやる理由

NetPractice の Level 5 以降で 「1 つの /24 の町を 2 つに割って、別々の LAN として使わせる」 という操作が頻出します。 (例: 「A 社と B 社で IP 帯は共有するが、互いに干渉しないよう分けたい」)

分割すると 町が 2 個に増え、使える住人数も変わる ので、 どの番地が使えてどの番地が使えないかを先に掴んでおくと Level 5+ で迷いません。

大きい町 /24(住人 254 人) を 半分ずつ に分けると /25 が 2 つ(1 つあたり 126 人)できます。

💡 用語: ブロックって何?

分割してできた 1 つ 1 つの小さな町 のことを、この先では 「ブロック」 と呼びます。 (ネットワーク用語の「subnet block」の略で、「アドレスのかたまり」の意味)

例えば /24 を 2 分割すると /25 のブロックが 2 個 できる、 4 分割すると /26 のブロックが 4 個 できる、という数え方をします。

もう少し正確に言うと:

  • 町(サブネット)= ブロック で、ほぼ同じ意味
  • ただし「ブロック」は 他の隣り合うブロックと一緒に大きな町を作っていたもの というニュアンス
  • だから 「/24 を 4 つのブロックに割る」 のような使い方が自然

🎯 マスクとブロックの関係 — 一番大事

マスクの長さ(/XX の数字)を決めると、ブロックの幅(= 中のアドレス数)が自動で決まる のがポイント。

マスク ブロック幅(アドレス数) 住人が使える数
/24 256 個 254 人
/25 128 個 126 人
/26 64 個 62 人
/27 32 個 30 人
/28 16 個 14 人
/30 4 個 2 人

式にすると ブロック幅 = 2 の (32 − マスク) 乗。 つまり マスクを 1 ビット伸ばす = ブロックが半分になる という関係。

/24 [██████████████████████████████████] 256 個
/25 [███████████████]                     128 個(半分)
/26 [███████]                              64 個(さらに半分)
/27 [███]                                  32 個(もう一段)

🏛️ 町の中にブロックが並ぶイメージ

「街」と「ブロック」の位置付けはこうイメージすると分かりやすい:

  • 大きな町 /24 = 街区全体(256 軒分の地番)
  • ブロック /25 × 2 = 街区を真ん中で分けた 2 街区
  • ブロック /26 × 4 = 同じ街区を 4 街区 に分けた状態

つまり「町の中にブロックがある」というより、町そのものを細かく区切ったのがブロック。 呼び方が違うだけで、ブロック = 小さくなった町 です。

🚚 ルータはブロック単位(= 町単位)で荷物を運ぶ(次章で詳しく)

ちなみに、町と町をつなぐ機械「ルータ」 は、1 軒 1 軒ではなくブロック(町)をひとまとめに扱います。

  • 行き先を「この /25 ブロックは 左、あの /25 ブロックは 右」のように ブロック単位 で判断する
  • だから マスクを細かくするとルータの判断も細かくなる(町が増える = ルートも増える)

この「ブロック単位で運ぶ機械」の実物については、次のページ 04. スイッチとルータの違い で 物理的にどんな箱か も含めて詳しく説明します。今はまだ「そういう機械があるんだな」 くらいで大丈夫です。

視覚図: /24 を /25 で半分こ

.0/25 .0〜.127 住人 .1〜.126 (126 人)
.128/25 .128〜.255 住人 .129〜.254 (126 人)
分割後のブロック 住人が使える範囲 使えない 2 つの番地
192.168.1.0/25 .1〜.126(126 人) .0・.127
192.168.1.128/25 .129〜.254(126 人) .128・.255

.255 は「使えない」と限らない

/24 の感覚で「.255 はブロードキャスト専用だから住人に渡せない」と覚えていると、 分割後の /25 で .127 も同じ理由で使えない ことを見落とします。

正しいルール: 各ブロックの先頭(= 全 0)と末尾(= 全 1)の 2 つ が使えない。 /25 の場合、.0 と .127(下のブロック)・.128 と .255(上のブロック)の 合計 4 個 がダメ。


📏 もう一段細かく: /24 を 4 等分(→ /26 × 4)

Level 7 前後で 「1 つの町を 3 つ以上の LAN に分ける」 問題が出ます。 このときは /25 では足りないので、さらに半分にして /26 を 4 つ作ります。

192.168.1.0/24 を 4 等分すると下記の通り:

視覚図: /24 を /26 で 4 等分

.0/26 .0〜.63 住人 .1〜.62
.64/26 .64〜.127 住人 .65〜.126
.128/26 .128〜.191 住人 .129〜.190
.192/26 .192〜.255 住人 .193〜.254
ブロック 住人が使える範囲 人数
192.168.1.0/26 .1〜.62 62 人
192.168.1.64/26 .65〜.126 62 人
192.168.1.128/26 .129〜.190 62 人
192.168.1.192/26 .193〜.254 62 人

ブロックの切れ目 は 64 の倍数(= マスク最後の桁の値)になります。


📏 サブネット境界の倍数ルール(速算の核)

NetPractice で「この IP はどの街に属する?」を秒で出すための 核となる対応表。 マスクを見たら、そのマスクのブロック幅の倍数でしか街は始まりません。

マスク ブロック幅 街の先頭になりうる値(区切り)
/24 256 .0 だけ
/25 128 .0, .128
/26 64 .0, .64, .128, .192
/27 32 .0, .32, .64, .96, .128, .160, .192, .224
/28 16 .0, .16, .32, ..., .240
/29 8 .0, .8, .16, ..., .248
/30 4 .0, .4, .8, ..., .252

押さえるべき対応はこの 4 つ:

  • /26 → 64 の倍数
  • /27 → 32 の倍数
  • /28 → 16 の倍数
  • /30 → 4 の倍数

たとえばマスク /26 で IP .130 を見たら、64 の倍数で .130 を超えない最大 = .128。 だから街は .128/26(範囲 .128〜.191)と即決できます。

⚠️ オフバイワン注意 — 「サイズ-1 を足す」を忘れがち

.128/26 の範囲を 「.128〜.192」と書くと 1 個多くなります(オフバイワンエラー)。 .192 は 次のブロック .192/26 の先頭なので、.128/26 には含まれません。

正しい末尾の計算手順:

  1. ブロック幅から 1 を引く:64 − 1 = 63
  2. 先頭に足す:.128 + 63 = .191
  3. 範囲は .128〜.191(次のブロックは .192/26 から始まる)

→ 「サイズ-1 を足す」を意識しておけば事故が減る。NetPractice で「.192 までホストに使える」と思って .192 を割り当てると、隣のブロックのネットワークアドレスにぶつかって invalid IP address で弾かれます。


📋 ブロードキャスト早見表(ホストに割り当てると赤エラー)

各サブネットの 末尾アドレス(ブロードキャスト)はホストに割り当て不可。NetPractice では invalid IP address で弾かれる。第 4 オクテットだけ抜き出した一覧:

マスク ブロードキャストになる値(第 4 オクテット) 個数
/24 .255 1
/25 .127, .255 2
/26 .63, .127, .191, .255 4
/27 .31, .63, .95, .127, .159, .191, .223, .255 8
/28 .15, .31, .47, ..., .255(16 ずつ) 16
/29 .7, .15, .23, ..., .255(8 ずつ) 32
/30 .3, .7, .11, ..., .255(4 ずつ) 64

規則:「ブロック先頭 + ブロック幅 − 1」がブロードキャスト。 たとえば /26 のブロック .128〜.191 なら、ブロードキャストは .191。

ネットワークアドレス(先頭)も同様にホストに使えないので、先頭と末尾の 2 個 を引いた残りが「住人が使える範囲」になります。


🎯 「この IP はどのブロックに属する?」を一瞬で求める

NetPractice で一番使うテクニックです。

計算手順

  1. ブロックサイズ = 256 − マスク最後の桁 の値
  2. IP の最後の桁をブロックサイズで割って 切り捨て × ブロックサイズ = ブロック先頭

例: 192.168.1.222 /27 はどのブロック?

1マスク
/27
= ...224
2ブロック幅
256 − 224
= 32
3222 ÷ 32
= 6.93…
切り捨て 6
46 × 32
= 192
5ブロック
.192/27
項目 値
ブロック全範囲 .192〜.223
ネットワークアドレス .192(使用不可)
住人範囲 .193〜.222
ブロードキャスト .223(使用不可)

例: 192.168.1.132 /28 はどのブロック?

1マスク
/28
= ...240
2ブロック幅
256 − 240
= 16
3132 ÷ 16
= 8.25
切り捨て 8
48 × 16
= 128
5ブロック
.128/28

ブロック全範囲 .128〜.143、住人範囲 .129〜.142。


🔢 /18 みたいな「中途半端な」マスクの扱い

例: 150.40.107.254 / 18 の町は?

/18 は 第 3 オクテットの途中で切る(マスク = 255.255.192.0)。 第 3 オクテットのブロック幅は 256 − 192 = 64。

1IP
150.40.107.254
2マスク
/18
= 255.255.192.0
3第 3 オクテット
107 ÷ 64
= 1.67 切り捨て 1
41 × 64
= 64
5町
150.40.64.0/18

使える IP 範囲: 150.40.64.1 〜 150.40.127.254(約 16,382 人)。

第 3 オクテットの早見表(/18 系)

/17 → 128 区切り:.0, .128 /18 → 64 区切り: .0, .64, .128, .192 /19 → 32 区切り: .0, .32, .64, ..., .224


💡 暗算のコツ

256 から引いて考える

マスクの最後の桁を見たら、256 からその値を引く とブロックサイズになる。

マスク最後の桁 ブロックサイズ
0 256
128 128
192 64
224 32
240 16
248 8
252 4

⚠️ よくあるミス

CIDR とマスクの変換を間違える

/27 を 255.255.255.32 と書いてしまうミスが多い。 正しくは 255.255.255.224(= 先頭から 1 が 27 個)。

ホスト数の −2 を忘れる

「/26 だから 64 人入る」ではなく 62 人。 ネットワークとブロードキャストを引き忘れがち。

/30 に 3 人入れる

/30 は 4 アドレス中 2 人しか入らない。 ルータ間のリンクで最もよく使う(2 人で十分だから)。


🎯 まとめ

  • CIDR = マスクの 1 の個数を /24 形式で書く表記
  • 住人数 = 2^(32 − CIDR) − 2
  • /24 = 254 人、/25 = 126 人 × 2 ブロック、/30 = 2 人(ルータ間)
  • ブロックサイズ = 256 − マスク最後の桁
  • 「この IP はどのブロック?」は IP ÷ ブロックサイズ を切り捨てて × ブロックサイズ

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04. スイッチとルータの違い — タコ足配線 vs 郵便局