🏠 ホーム › 第1部 ネットワークの基礎 › 01. IP アドレスって何?
01. IP アドレスって何?
このページは何?
「もし IP アドレスが無かったら、世界中のパソコンはどうなる?」 から始めて、 IP アドレスが なぜ必要か、どうやって書くか をゼロから理解するページです。
🤔 まず考えてみよう
もし家に住所が無かったら?
想像してみてください
あなたの家に 住所も番地もない 世界を想像してください。
- 🎂 友達から「誕生日プレゼントを送りたい」と言われても、どこに送ればいいか伝えられない
- 🛒 通販の荷物も 届く場所が決まらない
- 🚑 救急車を呼んでも たどり着けない
住所 があるから、世界中の郵便局・宅配業者・友達はあなたに物を届けられる。 住所は「たくさんある家の中からあなたの家を たった 1 つに決める目印」です。
コンピュータも同じ問題を抱えていた
世界には 数十億台 のパソコン・スマホ・サーバーが繋がっている。
flowchart LR
You[📱 あなたのスマホ] -->|どこに送ろう?| X[?? 誰?]
World[🌍 世界中の数十億台] -->|どこに届ける?| X
style You fill:#E3F2FD,stroke:#1976d2,color:#000
style World fill:#FFF9C4,stroke:#f9a825,color:#000
style X fill:#FFCDD2,stroke:#c62828,color:#000
もし 全てのコンピュータに住所が無かったら、 YouTube の動画も、LINE のメッセージも、Google の検索結果も、どこにも届けられない。
だから各コンピュータに 住所 を割り当てることにした。それが IP アドレス。
🎯 IP アドレスの役割
家の住所と比べると…
flowchart TB
subgraph H[🏠 家の世界]
direction LR
H1[📮 郵便屋さん] --> H2[住所は?]
H2 --> H3[東京都 渋谷区<br>代々木 1-1-1]
H3 --> H4[🎁 その家に配達!]
end
subgraph N[💻 ネットの世界]
direction LR
N1[📡 ルータ] --> N2[IP アドレスは?]
N2 --> N3[192.168.1.10]
N3 --> N4[💻 そのパソコンに配信!]
end
style H1 fill:#E3F2FD,stroke:#1976d2,color:#000
style H2 fill:#FFF9C4,stroke:#f9a825,color:#000
style H3 fill:#FFE0B2,stroke:#f57c00,color:#000
style H4 fill:#C8E6C9,stroke:#388e3c,color:#000
style N1 fill:#E3F2FD,stroke:#1976d2,color:#000
style N2 fill:#FFF9C4,stroke:#f9a825,color:#000
style N3 fill:#FFE0B2,stroke:#f57c00,color:#000
style N4 fill:#C8E6C9,stroke:#388e3c,color:#000
住所 → 家を特定する。IP アドレス → コンピュータを特定する。 同じ仕組みです。
📖 IP アドレスの書き方
形はこれだけ
IP アドレスは 4 つの数字を .(ドット)で繋げた形 で書きます。
各数字のルール
| ルール | 具体的には |
|---|---|
| 数字は 4 つ | ◯.◯.◯.◯ という形 |
| 1 つの数字は 0〜255 まで | 256 や 300 は NG |
ドット(.)で区切る |
半角のピリオド |
呼び方
1 つ 1 つの数字のことを オクテット (octet) と呼びます。 「オクト」は「8」の意味(タコ = octopus と同じ語源)。 1 オクテット = 8 ビット だから「オクテット」。
👀 実は 32 個の 0 と 1 でできている
コンピュータは 電気の ON / OFF しか分かりません。 だから、すべての数字は 0 と 1 の 2 種類 だけで表します(= 2 進数)。
192.168.1.10 を 2 進数で書き直すと
全部繋げると 32 個の 0/1
192 の部分 (8 ビット):
168 の部分 (8 ビット):
1 の部分 (8 ビット):
10 の部分 (8 ビット):
合計 32 個のマス = 32 ビット。これが IP アドレスの正体。
黄色のマス = 1、水色のマス = 0
コンピュータは黄色(電気 ON)と水色(電気 OFF)のマスを 32 個並べて 1 つのアドレスを表しています。
🧮 10 進 ⇄ 2 進のしくみ
なぜ 192 が 11000000 になるのか?
2 進の各桁は「2 のべき乗」
8 個のマスは、それぞれ以下の値を表します:
| マス位置 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| そのマスが 1 のときの値 | 128 | 64 | 32 | 16 | 8 | 4 | 2 | 1 |
192 を作る
192 = 128 + 64 なので、1 つめと 2 つめのマス だけが 1:
→ 128 + 64 = 192 ✓
重要な値の早見表
| 10 進 | 2 進 | どのマスが 1? |
|---|---|---|
| 0 | 00000000 |
全部 0 |
| 1 | 00000001 |
右端だけ 1 |
| 128 | 10000000 |
左端だけ 1(= 2⁷) |
| 192 | 11000000 |
左 2 つ(128 + 64) |
| 255 | 11111111 |
全部 1(= 2⁸ − 1) |
覚えるコツ
「255 = 全部 1」 「128 = 左端だけ」 の 2 つを覚えておけば、 あとは足し算で他の値を導けます。
🌍 アドレスの種類(3 つだけ覚える)
IP アドレスには 使い道による区別 があります。NetPractice でよく出るのは以下:
1. プライベートアドレス(家・会社用)
内輪で使う 範囲。家の Wi-Fi でも使われている。
| 範囲 | よく見る例 |
|---|---|
10.0.0.0 〜 10.255.255.255 |
10.0.0.1 |
172.16.0.0 〜 172.31.255.255 |
172.16.0.1 |
192.168.0.0 〜 192.168.255.255 |
192.168.1.1 ← これが家の Wi-Fi ルータの定番 |
なぜ 3 つも範囲があるの?
世界共通の約束(RFC 1918)で、誰でも自由に使っていい 3 種類の範囲を予約している。 家庭用・会社用・クラウド用と、バッティングしないように 3 つあります。
⭐ プライベート IP は Internet に出られない
プライベート IP は 世界中で重複して使われている(あなたの家も隣の家もマンションのお隣さんも 192.168.0.1 を持っている)。
だから ISP のルータには「プライベート IP 宛・プライベート IP 発のパケットは Internet に流さない」という鉄のルールがある(RFC 1918)。
- 家の中(同じルータ配下) なら
192.168.x.xで自由に通信できる - Internet を跨ぐ通信は、家庭用ルータが NAT という変換でパブリック IP に書き換えてから外に出す
- NetPractice では NAT を扱わないので、Internet が登場するレベル(L6, L8 など)の IP はすべてパブリック必須
2. グローバル(パブリック)アドレス(世界の住所)
Internet 上で一意 に決まる住所。Google の DNS サーバーの 8.8.8.8 が有名。
これを持っていないと、Internet のどこからも直接アクセスできない。
NetPractice で「どっちを使うか」の早見表
| カテゴリ | 範囲 | NetPractice で登場するレベル |
|---|---|---|
| プライベート | 10.x.x.x / 172.16〜31.x.x / 192.168.x.x |
L7(閉じた LAN)など、Internet が居ないレベル |
| パブリック | 上記以外(8.8.8.8, 42.x.x.x, 163.x.x.x など) |
L6, L8(Internet あり)など |
→ 各レベルの図に Internet(🌍 アイコン)が居るか で判断する。Internet が居れば全 IP がパブリック、閉じた LAN ならプライベート OK。
3. 特殊アドレス
| アドレス | 意味 |
|---|---|
127.0.0.1 |
自分自身 を指す(loopback = 「自分にループバック」) |
0.0.0.0 |
どこでも・未指定 の意味 |
255.255.255.255 |
全員に送る(ブロードキャスト) |
🧱 中身は 2 つのパートに分かれている
これが NetPractice の核心
IP アドレスには 「ネットワーク部」 と 「ホスト部」 という 2 つのパートがあり、 どこで区切るかは 次ページの「サブネットマスク」 で決まります。
flowchart LR
IP[192.168.1.10] --> Split{どこで<br>区切る?}
Split --> Net[ネットワーク部<br>= 町名]
Split --> Host[ホスト部<br>= 番地]
Mask[🎯 サブネットマスク<br>が決める] --> Split
style IP fill:#E3F2FD,stroke:#1976d2,color:#000
style Split fill:#FFF9C4,stroke:#f9a825,color:#000
style Net fill:#FFE0B2,stroke:#f57c00,color:#000
style Host fill:#C8E6C9,stroke:#388e3c,color:#000
style Mask fill:#F8BBD0,stroke:#c2185b,color:#000
- ネットワーク部 = どの「町」に住んでいるか(= 同じ町の住人同士は直接話せる)
- ホスト部 = その町の中で「あなたは何番地」か
🎯 まとめ
- IP アドレス は「コンピュータの住所」。世界中の機器を 1 台に絞るための ID
- 書き方は
192.168.1.10のように 4 つの数字(0〜255)を.で繋ぐ - 中身は 32 個の 0 か 1(= 32 ビット)
- 家用・会社用は プライベートアドレス(
192.168.x.xなど) - 世界の住所は グローバルアドレス(
8.8.8.8など) - IP には 町名(ネットワーク部) と 番地(ホスト部) があり、 その区切りは 次ページのサブネットマスク で決まる
▶️ 次に読むページ
02. サブネットマスクって何? — 「町」と「番地」の境目をどう決めるか